土壌の再生という哲学
細菌や菌類、ミミズ、微細な昆虫たち。彼らが分解し、蓄え、循環させることで、土は“生きている”状態を保っている。土を育てるというのは、この生きものたちとの関係を丁寧に育んでいくということに他ならない。
細菌や菌類、ミミズ、微細な昆虫たち。彼らが分解し、蓄え、循環させることで、土は“生きている”状態を保っている。土を育てるというのは、この生きものたちとの関係を丁寧に育んでいくということに他ならない。
こうした気づきは、僕たちの農業を「手段」から「関係性」へと変えていった。草を敵と見なさないことで、草と一緒に畑をつくっていくという発想が芽生える。その時、畑に立つ身体の緊張がふっとほどけたように感じたのを今でも覚えている。
研修中に紹介していただいた小田原市の久保寺農園にて、初めて不耕起栽培という農法と出会った。鎌一本で畑に立ち、草を刈る。そのシンプルな作業の中に、大きな意味と喜びがあることを知り、耕さないという選択が、どれほど深く自然との関係性を築くことに繋がるか──それは直観的でありながらも確かな手応えを持った出会いだった。